売却事例⑭(波崎工場)

東証一部上場企業のグループ会社様から茨城県神栖市にある敷地約600坪の小さ目な工場のご売却依頼がありました。

本物件は、既に売主様のところに引き合いがあり、ご購入様が決まっている状況でしたので、ご契約同時決済によるご仲介をさせていただきました。

築40年の工場は古く、雨漏りも数ヶ所散見でき、建物設備の経年劣化が進んでおり、買主様がご購入後に修繕される予定です。また床も凸凹でしたからコンクリを打ち直すとのことでした。

また、耐震に関しては、昭和56年以前に建築された建物は耐震基準を満たしていない場合が多く、本件は耐震診断を行っていませんでした。また築年数が古いとアスベストが建材に含有されている可能性もあります。

しかしながら、大型クレーンが4基も備わり、新築するより古くても中古の方が断然お安く価値があるように思われます。

今回の物件では、前面道路の両側に0.6mの側溝を含めて4.5mの建築基準法(市道)の道路でしたが、一部側溝蓋(ふた)が無い部分や、実測で4mを切る箇所がありました。
4.0mを切る道路は、建築基準法第42項第2項の道路となり、再建築時にセットバックが必要になることがあります。ただ確測もなく道路と敷地の境界が不明でした。

問題は、側溝の上部にコンクリート蓋が設置されていない場合、再建築や増設する際、接道条件を満たすために蓋の設置を求められる場合があり、買主様にご承諾いただきました。

もう一つの問題が、市街化調整区域内にある工場でした。本物件は、調整区域に編入される以前に建築された既存建物だと証明できましたので、工場用途での再建築が可能であると市役所担当者様からご回答を得られました。

土地改良法に基づく区画整理区域とも重なり物件調査が大変でした。
やはり経過年数が古いと、県による区画整理事業でも当時の資料が保管されていない場合があります。

最後に、工場内にある大量の工作機械等の残置物や、キュービクルの撤去を行い、無事にお引渡が完了しました。

皆様のご協力に感謝申し上げます。

また、ご決済完了後に売主ご担当者様が、買主様ならびに仲介業者と会食の場を持っていただき、ありがたくご相伴(しょうばん)にあずかりました。

東京から神栖市までは自動車で通いましたが、東関道は成田を過ぎれば空いているものの覆面パトカーが多く、特に夜の高速で古い型は非常に見分け辛いように思います。

不動産を高値で売却致します